会社のサイトをWordPressからCloudflareへ移しました。何が変わった?守りと更新のしかた

WordPressの建物から、Cloudflareの店頭へサイトを引っ越すイメージ。店頭には完成したページが作り置きで並び、門番が前に立っている

この記事について

この記事は、弊社のサイトで実際に行った引っ越しの記録です。むずかしい言葉はできるだけ使わずにお話しします。内容は2026年11月時点のものです。

2026年11月、弊社のサイトの「中身」を、そっくり引っ越しました。

見た目は、ほとんど変わっていません。お知らせも、事業の紹介も、お問い合わせも、これまでどおりお使いいただけます。でも、裏側は、まったく別のものになりました。

これまで使っていた「WordPress(ワードプレス)」をやめて、「Cloudflare(クラウドフレア)」の上で動く形に切り替えたのです。じつは、いまお読みいただいているこの記事も、新しい方法で公開しています。

この記事では、何を変えたのか、変えてどうなったのか、守りはどう固くなったのか、そして更新はどうしているのかを、順番にご紹介します。

そもそも、何を変えたの?

サイトを「お店」にたとえてみます。

WordPressのサイトは、「注文が入るたびに、その場で料理を作るお店」です。だれかがページを見に来るたびに、厨房(サーバー)が材料庫(データベース)から材料を取り出し、ページを組み立てて出しています。管理画面からだれでも記事を書ける、とても便利な仕組みです。そのかわり、厨房や材料庫、そして裏口(管理画面)が、いつもインターネットにつながっています。

いまの弊社のサイトは、「できあがったお弁当を、店頭に並べておくお店」です。ページは前もって完成させておき、Cloudflareが世界の約350の都市に持っている「店頭」に並べておきます。見に来た方には、いちばん近い店頭から、そのお弁当をそのままお渡しします。このような形のサイトを「静的(せいてき)なサイト」と呼びます。

WordPressは注文のたびに厨房(サーバー)が材料庫(データベース)から材料を出してその場でページを作り、裏口(管理画面)もネットにつながっている。いまの形(静的なサイト)は完成したページを作り置きし、Cloudflareが世界の約350都市の店頭に並べて近くからお届けする。厨房・材料庫・裏口はない
「その場で作るお店」と「作り置きを並べるお店」

引っ越しにあたっては、次の3つを決めて進めました。

  • 見た目と機能は崩さない:デザインも、便利ツールも、お問い合わせも、そのまま使えるようにする
  • ページの住所(URL)は変えない:古い住所に来た方も、自動で新しい住所へご案内する
  • WordPressの名残を残さない:WordPressらしい住所や名前を、ページの中から取り除く

引っ越して、どう変わった?

引っ越しの前と後の比較。見た目・使い方はほぼそのまま。表示されるまでは、その場で組み立てるから、作り置きを近くから届ける形に。本体・部品の更新は、こまめに必要からそもそも不要に。攻撃される入口は、多いからぐっと減った
引っ越しの前と後の比較

見た目と使い方は、ほぼそのまま

お知らせ、事業の紹介、便利ツール(パスワード作成・QRコード作成・サイトの健康チェック)、お問い合わせフォームは、これまでと同じように使えます。見に来た方からは、引っ越したことはほとんど分からないはずです。

ページが届くまでの待ち時間が短くなる

その場で料理を作らないので、厨房の待ち時間がありません。さらに、近くの店頭からお届けするので、遠くの建物まで取りに行く時間も短くなります。表示が速くなりやすいのも、この形の良いところです。

「本体やプラグインの更新作業」がなくなった

WordPressは、本体や、機能を足す部品(プラグイン)の更新を、こまめに続ける必要があります。弱点を直すためです。いまのサイトには、そもそもその本体や部品がありません。守りのための更新作業そのものが、なくなりました。

セキュリティは、どう固くなった?

いちばん大きく変わったのが、ここです。ひと言でいうと、攻撃される「入口」が、ぐっと減りました。

WordPressではログイン画面・プラグイン・データベース・お問い合わせが狙われやすい入口になる。いまの静的なサイトにはログイン画面・プラグイン・データベースがなく、残る入口は守りを付けたお問い合わせ1つだけ
攻撃される入口の比較

1. ログイン画面が、そもそもない

WordPressには、記事を書くための管理画面と、そこに入るためのログイン画面があります。インターネットからだれでも開けるので、パスワードを次々に試す「合いかぎロボット」に、毎日のように狙われます。いまのサイトには、ログイン画面がありません。開こうとしても、「そのページはありません」と表示されるだけです。

2. プラグインの「ひび」を心配しなくていい

WordPressは、プラグインで機能を足していきます。便利な反面、プラグインには弱点(建物のひび)が見つかることがあります。2026年5月には、1週間で31件のプラグインの弱点が報告された週もありました。いまのサイトはプラグインを使っていないので、この心配がありません。

3. 外から書きかえる入口がない

店頭に並んでいるのは、完成したお弁当だけです。厨房も材料庫もないので、外からページの中身を書きかえる入口がありません。ページを書きかえられるのは、別の場所にある「保管庫」からだけです(くわしくは、このあとの「更新」のところでご説明します)。

4. 門番が、いちばん前に立っている

お店の前には、Cloudflareという門番が立っています。大勢でいっせいに押しかける攻撃や、あやしいアクセスは、店頭に届く前に止まります(門番のしくみは、Cloudflareを入れたら安心?の記事でくわしくご紹介しています)。また、鍵マーク(https)の付いた通り道でしか開かないよう、ブラウザに覚えてもらう設定もしています。

5. お問い合わせなど「動く部分」は、別に守る

お問い合わせフォームや便利ツールは、送られた内容を受け取って動く部分です。ここには、人間かどうかの確認、短い時間の連続送信を止める仕組み、受け付けた内容の記録を付けています。

6. 画像の「印」も、自動で取り除く

画像には、AIで作ったことを示す印や、撮影した場所・機械などの情報が入っていることがあります。いまのサイトでは、公開する前に自動で取り除き、残っていたら公開しない仕組みにしています。

それでも残るリスク

入口は大きく減りましたが、「何もしなくていい」わけではありません。正直にお伝えすると、次のようなリスクは残ります。

仕組みで守れるようになったもの:ログイン画面への総当たり、プラグインの弱点、外からのページの書きかえ、大勢でいっせいに押しかける攻撃。引き続き人が守るもの:管理用アカウントの乗っ取り(二段階認証で守る)、会社のメール(サイトとは別に守る)、門番(Cloudflare)の障害、お問い合わせなど動く部分
仕組みで守れるようになったもの・引き続き守るもの
  • 管理用のアカウントの乗っ取り:住所(ドメイン)、Cloudflare、保管庫(GitHub)のアカウントを乗っ取られると、サイトを書きかえられてしまいます。どれも、パスワードに加えてスマートフォンの確認も使う「二段階認証」で守っています
  • メールは別の仕組み:サイトを引っ越しても、会社のメールは別の場所で動いています。メールの守りは、別に考える必要があります
  • 門番が止まったとき:Cloudflareそのものに障害が起きると、サイトが見られなくなります。過去には、世界中の多くのサイトがいっせいに見られなくなったこともあります
  • 動く部分:お問い合わせなど、受け取って動く部分は、引き続き見守りが必要です

つまり、変わったのは「攻撃される入口が、ぐっと減った」ということです。残った入口は、しっかり鍵をかけて守っています。

「CMSなの?」 更新はどうしているの?

CMS(シーエムエス)とは、WordPressのように、管理画面から記事やページを書ける仕組みのことです。いまの弊社のサイトには、この管理画面を置いていません。それでは、どうやって更新しているのでしょうか。

弊社の更新のしかた

弊社の更新の流れ。1 原稿を作る(AIと一緒に文章と図を用意)、2 保管庫の下書きに入れる(本番とは別の場所)、3 社員だけが見られるテスト用のページで確認、4 OKなら本番へ(数分で自動的に公開)、5 すぐ前に戻せる(変えた記録がすべて残る)
弊社の更新の流れ
  1. 原稿を作る文章と図を用意します。弊社では、AIと一緒に原稿を作っています。
  2. 保管庫の「下書き」に入れるサイトの中身は、すべて「保管庫(GitHub)」にしまってあります。まず、本番とは別の下書きの場所に入れます。
  3. 社員だけが見られるページで確認する下書きを入れると、テスト用のページが自動でできます。社員だけが見られるので、公開前にじっくり確認できます。
  4. OKなら本番へ確認が済んだら本番に入れます。数分で、自動的にサイトに公開されます。
  5. 何かあれば、すぐ前に戻せるいつ、だれが、何を変えたかがすべて記録に残ります。困ったときは、前の版にすぐ戻せます。

管理画面がないぶん、「だれでも、いつでも書ける」状態ではなくなりました。そのかわり、確認してから公開する流れが、仕組みとして守られるようになりました。

更新のしかたは、ほかにも選べます

静的なサイトだからといって、更新のしかたが1つに決まるわけではありません。会社に合わせて、次のような方法から選べます。

静的なサイトの更新のしかた3つ。保管庫から更新(弊社の方法・更新が月に数回くらいの会社向け)、管理画面を付ける(EmDashなど・社員が自分で書きたい会社向け)、更新を任せる(制作会社やAIに公開までお願い・更新の手間をかけたくない会社向け)
静的なサイトの更新のしかた3つ
更新のしかたどんな方法?向いている会社
保管庫から更新する(弊社の方法)原稿を保管庫に入れると、自動で公開される更新が月に数回くらいの会社
あとから管理画面を付けるCloudflareが2026年に出した「EmDash(エムダッシュ)」など、WordPressに近い管理画面を組み合わせる社員が自分で記事を書きたい会社
更新を任せる制作会社やAIに原稿を渡して、公開までお願いする更新の手間をかけたくない会社

どんなサイトに向いている?

静的なサイトに向いているのは会社案内・サービスの紹介・キャンペーンのページ(LP)・ときどき書くお知らせなど更新がそれほど多くないサイト。WordPressが合うのは毎日たくさん書くブログ・ネットショップ・会員だけが入れるサイト・社員が毎日書きかえるサイトで、WordPressのまま守りを固める
静的なサイトに向いているサイト・WordPressが合うサイト

静的なサイトに向いているのは、会社案内、サービスの紹介、キャンペーンのページ(LP)、ときどき書くお知らせなど、更新がそれほど多くないサイトです。

いっぽうで、毎日のようにたくさん記事を書くブログ、ネットショップ、会員だけが入れるサイトなどは、WordPressの便利さが生きるサイトです。こうしたサイトは、無理に引っ越すよりも、WordPressのまま守りを固めるほうが合っています(弊社では、WordPressのサイトを見守る「蔵番(くらばん)」もご用意しています)。

どちらが正解、ということではありません。サイトの使い方に合わせて選ぶことが大切です。

お困りの方は、ご相談ください

  • 会社のサイトを、静的なサイトやCloudflareへ引っ越したい
  • WordPressのまま、守りを固めたい
  • 自社のサイトには、どちらが合っているか相談したい
  • 確認してから公開する、更新の流れを整えたい

弊社のサイトで実際に行った方法をもとに、会社ごとに合った形をご提案します。「うちのサイトはどっちだろう?」という段階のご相談でもかまいません。お気軽にお問い合わせください。

参考:Cloudflare公式サイト「Network」(拠点の都市数・2026年11月時点)/マイナビニュース TECH+「WordPressの脆弱性」(2026年4月30日〜5月6日に報告された31件)
※2026年11月時点の情報です。

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