
この記事について
この記事は、「Cloudflare(クラウドフレア)を入れると安全らしい」とぼんやり聞いたことはあるけれど、そもそも何なのかはよく分からないという方に向けて書いています。むずかしい言葉はできるだけ使わず、サイトを「お店」にたとえてお話しします。くわしい設定方法は、この記事では扱いません。
「Cloudflareを入れておけば安全」
「大きな会社のサイトも使っているから大丈夫」
最近、こんな話を聞くことが増えました。2026年10月には、たくさんのサイトを動かしている仕組みに大きな弱点が見つかり、Cloudflareが世界中で大量の悪いアクセスを見つけた、というニュースも流れました。
弊社でも、Cloudflareの導入や設定の代行について、ご依頼・ご相談をいただく機会が増えています。そのなかで多いのが、次のようなご質問です。
- そもそもCloudflareって何?
- サイトを置いておく場所みたいなもの?
- 入れたら、もう安心なの?
実はCloudflareは、サイトを置く場所でも、パソコンに入れる防犯ソフトでもありません。サイトの「前」に立つ門番のような存在です。
この記事では、Cloudflareの仕組みと、入れると何が変わるのか、そして入れても変わらないことを、順番にお話しします。
Cloudflareってなに?「サイトの置き場所」とはちがいます
まず、サイトを「お店」にたとえて考えてみましょう。
| 本物のお店 | サイトでいうと |
|---|---|
| 建物 | サイトを置いておく場所(ページや写真がしまってある) |
| 住所 | サイトのアドレス(https://〜 で始まるもの) |
| 道案内 | アドレスを入れた人を、建物まで連れていく仕組み |
| 門番 | Cloudflare |
多くの会社では、サイトを置いておく場所(建物)を、専門の会社から借りています。毎月料金を払っている「サイトの置き場所」が、これにあたります。
Cloudflareは、この建物を貸す会社ではありません。サイトのページや写真を預かるわけでもありません。建物はそのままで、その「前」に門番として立つサービスです。
どうやって「前に立つ」の?
お客さんがサイトのアドレスを入れると、ふだんは道案内が、お客さんを建物まで連れていきます。
Cloudflareを入れるときは、この道案内を書きかえて、「まず門番のところへ行ってください」とするだけです。建物の引っ越しは必要ありません。すると、お客さんは必ず門番の前を通ってから、お店に入るようになります。

門番がしてくれる2つの仕事
- 通してよいかを見る来た人の様子を見て、あやしい人は入口で止めます。ふつうのお客さんは、そのまま通します。
- よく見られるページを、手元に置いておく人気のページの写しを門番の手元に置いておき、すぐに見せます。建物まで取りに行かなくてよいので、表示が速くなり、建物の負担も軽くなります。

Cloudflareは、どうやって生まれたの?
Cloudflareは、アメリカの会社の名前です。その会社が提供しているサービスも、同じ名前で呼ばれています。どんなきっかけで生まれたのか、かんたんにふり返ってみましょう。

- 2004年 迷惑メールを調べる「わな」をつくるのちにCloudflareをつくるマシュー・プリンスさんとリー・ホロウェイさんは、迷惑メールを送る人が、どうやってメールアドレスを集めているのかを調べる仕組みをつくりました。わなを仕掛けて、悪い人の動きを記録するものです。
- 「調べるだけでなく、止めてほしい」という声この仕組みを使っていた人たちから、「悪い人を見つけるだけでなく、止めてほしい」という声が集まりました。これが、Cloudflareのはじまりです。
- 2009年 会社をつくるプリンスさんは、アメリカのハーバード大学の経営大学院で出会ったミシェル・ザトリンさんと、この声にこたえるための会社をつくりました。友人に「雲の上の防火壁のようだね」と言われたことが、Cloudflare(クラウドフレア)という名前のもとになっています。
- 2010年 だれでも使えるサービスにまず一部のサイトで試したところ、「ページの表示が約3割速くなった」という声が届きました。そして2010年9月、アメリカのIT関連のイベントで、だれでも使えるサービスとして発表されました。
- 2019年 アメリカの証券取引所に上場利用するサイトがどんどん増え、世界的な大きな会社に成長しました。
- いま 世界のサイトの4つに1つ以上が利用今では、世界のサイトの4つに1つ以上が、Cloudflareを門番として使っています。125をこえる国の、335の都市に拠点があります。
※世界のサイトの割合は、調査会社W3Techsの2026年10月28日時点の数字(28.2%)です。

Cloudflareが目指していること
Cloudflareは、「より良いインターネットをつくる手助けをする」ことを目標にかかげています。
悪い人を見つけるだけでなく、入口で止める。そして、サイトを速く、止まりにくくする。はじまりの「止めてほしい」という声が、今も門番の仕事の中心にあります。大きな会社だけでなく、小さなお店でも無料のプランから使えるのも、Cloudflareの大きな特長です。
「Cloudflareなら安全」と言われる理由
このように、Cloudflareの門番は、世界中のとてもたくさんのサイトの前に立っています。そのため、どこかのお店で悪さをした人の顔や手口をすぐに覚えて、ほかのお店の前でも止めることができます。

10月の大きな弱点のときも、Cloudflareは、発表の前からすでに数千回、発表から2時間で数十万回、その後は数百万回もの悪いアクセスを見つけたと報告しています。そして発表されたその日のうちに、無料のプランを使っているお店も含めて、入口で止める仕組みを用意しました。

世界中の悪い人をよく知っている門番。これが「Cloudflareなら安全」と言われる理由です。
Cloudflareを入れると変わること
門番がいることで、お店の守りは次の5つの点で変わります。

1. 大勢で押しかけて、お店をパンクさせるいたずらを止める
何万人ものにせのお客さんを一度に送りこんで、お店をぎゅうぎゅうにし、本物のお客さんが入れないようにするいたずらがあります。サイトでいうと、急にページが表示されなくなる状態です。
門番は、この押しかけを入口でせき止めます。この守りは、無料のプランでも、いつでも働いています。
2. あやしい荷物を持った人を、入口で止める
お客さんのふりをして、こっそり悪い道具を持ちこむタイプの攻撃があります。門番は、よく知られた悪い道具の形を覚えていて、入口で荷物を調べて止めます。
無料のプランでは、特によく使われる手口を中心に止めてくれます。有料のプランにすると、止められる手口の種類が増えます。
3. 合いかぎを何千回も試すロボットを止める
サイトを更新するための画面には、IDとパスワードを入れる入口があります。ここに、ロボットを使って、思いつくかぎりの組み合わせを何千回も試す攻撃があります。
門番は、人間らしくない動きをするロボットや、短い時間に何度もやってくる相手を、入口で止めることができます(お店に合わせた設定が必要です)。
4. お店の本当の場所を、知られにくくする
門番を入れると、外からは門番の場所しか見えなくなります。悪い人は建物の本当の場所がわからないので、直接ねらいにくくなります。
ただし、前から本当の場所を知られている場合は別です。これについては、次の章でお話しします。
5. お客さんとのやりとりを、のぞき見されにくくする
アドレスの横に出る「鍵マーク」は、お客さんとお店のやりとりが、外からのぞかれないようになっている印です。Cloudflareを入れると、この鍵マークも用意されます。
ただ、最近はサイトの置き場所を貸している会社が、もともと鍵マークを用意していることがほとんどです。ここは「大きく変わる」というより、「入れても守られたまま」と考えてください。
Cloudflareを入れても変わらないこと
ここが、この記事で一番お伝えしたいことです。
門番はとても頼りになりますが、あくまで「入口」を守る係です。建物の中のことまでは、守ってくれません。

1. 建物そのもののひびは、直らない
サイトは、いくつもの仕組みが組み合わさって動いています。この仕組みは時間がたつと古くなり、あとから弱いところ(ひび)が見つかります。10月の大きな弱点も、まさにこの「建物のひび」でした。
門番は、ひびをねらう人を入口で止めることはできますが、ひびそのものを直すことはできません。門番がまだ知らない新しい手口で来られたら、通してしまうこともあります。門番が止めてくれているあいだに、ひびを直すことが大切です。
ひびを直すには、定期的な点検と修理(古くなった仕組みを新しくすること)が必要です。10月の弱点については、こちらのお知らせでくわしくお伝えしています。
2. 本物の鍵を持った人は、止められない
IDとパスワードが、どこかから漏れていたらどうでしょう。門番から見れば、正しい鍵を持った人は「お店の人」です。止める理由がありません。
ほかのサービスと同じパスワードを使い回していないか、辞めた人のIDが残ったままになっていないか。ここは、お店の側で気をつける必要があります。
3. 裏口から入られたら、素通り
門番が立っているのは、表の入口だけです。もし建物の本当の場所が前から知られていると、悪い人は門番の前を通らずに、裏口から直接やってきます。Cloudflareを入れる前から長く公開しているサイトでは、昔の場所の記録がネットに残っていることもあります。
裏口をふさぐには、建物の側で「門番を通ってきた人しか入れない」という設定をする必要があります。

4. お店の中で何か起きても、気づいてはくれない
もし悪い人が中に入りこみ、こっそりページを書きかえたり、知らないページを置いたりしても、門番はそれに気づきません。門番の仕事は、入口までだからです。
中の異変に気づくには「見回り」が、もしものときに元に戻すには「控え(サイトのコピー)」が必要です。くわしくはホームページの保守についての記事もご覧ください。
Cloudflareを入れるときに気をつけること
門番は、置き方をまちがえると、守りが弱いままだったり、思わぬトラブルが起きたりします。入れるときは、次の6つに気をつけてください。
- 置いただけでは、ほとんど何もしない入れた直後の門番は、最低限の仕事しかしません。更新画面の入口を守るなど、お店に合わせた指示(設定)をして、はじめてしっかり働きます。
- 裏口をふさがないと、効果がうすい建物の側でも「門番を通ってきた人だけ入れる」ようにしないと、裏口が残ったままになります。
- 道案内の書きかえで、メールが届かなくなることがある道案内には、サイトだけでなく、会社のメールの行き先も書いてあります。書きかえるときにメールの行き先を写しそこなうと、メールが届かなくなります。書きかえた直後は、しばらくつながりにくくなることもあります。
- 防犯カメラに、全員が「門番の顔」で映ってしまう建物の防犯カメラ(記録)には、門番を通ってきた人が、みんな門番の顔で映ってしまいます。このままだと、建物の側で悪い人だけを止めようとしても、門番ごと止めてしまうことがあります。本当の顔が記録されるよう、建物の側の調整が必要です。
- 見せてはいけない部屋まで、写しを置いてしまう門番に「ページの写しを置いて」と指示するとき、範囲をまちがえると、お店の人だけが見る部屋や、お問い合わせの内容まで写しを置いてしまう事故があります。写しを置くのは、だれが見ても同じページだけにします。
- 門番の会社が止まると、お店に入れなくなるお客さんは必ず門番を通るので、Cloudflareそのものに障害が起きると、建物が元気でもサイトが見られなくなります。過去には、世界中の多くのサイトがいっせいに見られなくなったこともあります。


弊社の考え:「門番」と「点検・見回り」の両方で守る
Cloudflareは、お店の守りを強くしてくれる、とても良い門番です。無料のプランから使えるので、まだ入れていないサイトでは、前向きに検討する価値があります。
ただし、門番が守るのは「入口」までです。建物のひびを直す点検と修理、中の異変に気づく見回り、もしものときの控え。この「中の守り」とあわせて、はじめて安心できる状態になります。

特に、次のようなサイトでは、両方の守りをおすすめします。
- お問い合わせや予約の受付があるサイト
- 会員ページなど、IDとパスワードで入るページがあるサイト
- ネットショップなど、お金のやりとりがあるサイト
- 病院・クリニックなど、大切な情報をあつかうサイト
- 作ってから長いあいだ、手を入れていないサイト
お困りの方は、ご相談ください
弊社では、Cloudflareの導入・設定の代行から、中の守りまで、まとめてご相談をお受けしています。弊社が管理していないサイトでも大丈夫です。
- 自社のサイトにCloudflareを入れるべきかどうかのご相談
- Cloudflareの導入・設定の代行(メールが止まらないよう、道案内の書きかえまで行います)
- すでに入れているCloudflareの設定の見直し
- 裏口をふさぐ設定・防犯カメラ(記録)の調整
- 点検・見回り・控えをまとめてお任せいただける保守サービス「蔵番」
サイトを作った会社が別にある場合も、その会社と連携して進めます。「うちのサイトには入っているのかな?」という確認だけでもかまいません。お気軽にご相談ください。
※2026年10月29日時点の情報です。Cloudflareのプランや内容は変わることがあります。